WJ本誌掲載時の作者コメント
【1976年】


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25号『4月期ヤングジャンプ賞入選者発表』【文:中野祐介編集長(当時)】
◇入選(賞状と副賞五万円)
『こちら葛飾区亀有公園前派出所』東京都 山止たつひこ(23歳)
『子供ハ天使デハナイノデス』東京都 大瀬三郎(21歳)
◇佳作(賞状と副賞三万円)
該当作品なし

春──ものみな活動期にはいり、躍動の季節。春休みをはさんで、作品づくりに十分な時間がとれたのか、応募総数は二二八編もあり、入選作二本がでる高水準だった。

【講評】

最終選考にのこったのはストーリーもの七編、ギャグもの五編の計十二編。いずれもハイレベルの作品で、入選にもれた十編の作品についても、あと一歩というより、あと半歩で佳作という力作であった。
作品化しようとする対象を、自分自身の目で直視し、構成するという作業を、自分のものとして把握する力がそなわり、発揮できたせいではないかと思い、喜ばしいかぎりだ。
入選作、山止たつひこくんの『こちら葛飾区亀有公園前派出所』は、ギャグストーリー的なもので、警察官のセリフまわしがおもしろい。ストーリー的に事件のからみがはいれば、なおよかった。
・このページは こち亀作者・秋本治(初期は山止たつひこ)先生のコメント(週刊少年ジャンプの目次ページに掲載されたもの)を紹介するコーナーですが、最初にこち亀のタイトルが掲載された1976年25号のYJ賞発表ページ(文は当時のWJ編集長・中野祐介氏)は、貴重な意味合いを持つ物として、特別に内容を掲載させて頂きます。
・作品紹介として、1ページ目の大ゴマ(男性が派出所へ歩いて向かう場面)が ごく小さく掲載されています。タイトルや作者名(“岩森章太郎 改め 山止たつひこ”)が手書きになっている このコマは 作品発表にあたって描き直され、
WJ2006年29号(153-8)の企画ページで紹介されるまで、30年間(!)日の目を見ませんでした。
・他作品の講評は省略。また、文中の「からみ」に「ヽ」が付きます。
・こち亀と同時入選した
大瀬三郎氏は、この後 連載初期のこち亀にアシスタントとして参加。「子供ハ天使デハナイノデス」は、WJ1976年52号で「子どもハ〜」と改題の上 読切掲載されました。

29号(読切)
作品どうでした? これからも面白い作品を発表できるように、がんばります。
・「こち亀大全集 カメダス2」(P246)では 秋本(山止)先生の自画像として連載開始以降の4バージョンが紹介されていますが、第1話が読切掲載されたこの号では、更に違うバージョンの自画像(正面向き笑顔)となっています。

42号「下町の青年警察官の巻」
感激と興奮の第一回。がんばります。ハワイのラムちゃんにも、みせたいなあ〜
・連載第一回目。「ラムちゃん」は、秋本(山止)先生が当時大ファンだったタレント・アグネス・ラムの事です。

43号「祭りとフータローの巻」
亀有の香取神社は今年七百年の本祭り。下町っ子の血がさわぎまくるのデス!

44号「亀有の少年の巻」
葛飾のまん中を流れる中川。土手にはバッタやコオロギが涼しく鳴いてるよ。

45号「気のあうふたり!?の巻」
亀有の交番を取材 今は、あき巣ねらいより、自転車ドロボウが多いんだって

46号「派出所でお茶を…の巻」
亀有も交通事故が多く、事故処理でいそがしいおまわりさんを、みかけます。

47号「早うち両さん!?の巻」
白バイの警官をみるたびに三億円犯人を思う。あの金は何に使ったんだろう。

48・49合併号「わたしは殺人犯…の巻」
寒さ厳しいこれからの夜勤、おまわりさんカゼに気をつけてネ! クシュン!!

50号「敵もさるもの!!の巻」
ぼくはつりをしたことがない。東京の江戸川や中川にどんな魚がいるのだろう
・「つり」に「ヽ」が付きます。

51号「にくいヤツ!?の巻」 ※「にく」の上に「ヽ」が付きます。
亀有には成田もうでにいく街道がある。昔はノンビリした街道だったみたい…

52号「12月24日雪…の巻」
今年は三の酉まである。そんな年は火事が多いとか…皆さん火の用心カチカチ


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